防犯ガラスフィルムとは何か?特長と目的
防犯ガラスフィルムは、既存の窓ガラスの内側に貼り付けることで、割れたときの飛散を防ぎ、侵入者の侵入を遅らせる役割を果たすフィルムです。厚さは数十μm~100μm程度と薄いものから、複数層の強化タイプまでがあります。
- 飛散防止機能:ガラスが割れてもフィルムがガラス片を保持し、飛び散りを最小限に。
- 侵入抑止効果:小型ハンマーやバールでガラスを割ろうとしても、時間がかかるため侵入を遅らせる。
- 紫外線カット機能:90%以上のUVをカットするタイプもあり、室内の日焼けや家具の日焼け対策になる。
玄関・勝手口に貼るメリットとデメリット
玄関や勝手口は外部からの侵入リスクが高い箇所です。防犯ガラスフィルムを貼ることで次のような効果が期待できます。
メリット
- コストが安い:防犯合わせガラスを交換するよりも圧倒的に低コスト(5,000~10,000円/枚程度)で導入可能。
- 施工が簡単:既存ガラスに貼るだけでOKなので、ガラス自体の交換工事やサッシ工事が不要。
- 飛散防止でケガ防止:子どもやペットが誤って窓ガラスに衝突しても、飛び散りを防げる。
- 紫外線カットによる日焼け対策:家具や床の色あせを防ぐうえ、室内の日焼け対策にもなる。
デメリット
- 防犯性能は合わせガラスほど高くない:フィルムを貼っただけでは、強力な衝撃には耐えられず、長時間のこじ開けには侵入される可能性がある。
- 施工ミスで気泡や剥がれが生じる:フィルムを貼る際に気泡が入ったり埃が挟まると、見栄えが悪くなるだけでなく、剥がれやすくなる。
- メンテナンスが必要:時間経過でフィルムのエッジ部分が剥がれてくることがあるため、定期的に点検して貼り直しが必要。
防犯ガラスフィルムの選び方と費用相場
防犯ガラスフィルムは機能や厚みによって複数のグレードがあります。以下のポイントを参考に選びましょう。
選定ポイント
- フィルムの厚み(μm):50μm程度は飛散防止・軽度の侵入抑止、100μm以上あれば高い飛散防止と一定の防犯効果。
- 防犯等級(CPマークやJIS規格):JIS規格では、フィルムの引裂き強度や衝撃耐性を評価する「規格番号(例:JIS A 5759)」がある。
- UVカット率:冬場も紫外線は存在するため、90%以上のUVカットフィルムを選ぶと日焼け対策にも有効。
- 透明度と断熱機能:クリアな見通しを確保しつつ、遮熱タイプや断熱タイプを選ぶと冷暖房効率がアップする。
費用相場
- 飛散防止フィルム(50μm):2,000~4,000円/㎡
- 防犯強化フィルム(100μm以上):5,000~8,000円/㎡
- UVカット+断熱フィルム(複合機能):6,000~10,000円/㎡
- 施工費:2,000~3,500円/㎡程度(業者によって異なる)
- DIYキット:カット済みシート+施工道具セットで5,000~8,000円/窓1枚分
DIYで防犯フィルムを貼る手順と注意点
防犯フィルムはDIYでも施工可能ですが、しっかりした下準備とテクニックが必要です。以下の手順を参考に行ってください。
準備する道具
- 防犯ガラスフィルム(窓サイズ+約5cm長めにカット)
- スキージー(プラスチック製のゴムヘラ)
- スプレーボトル(水+中性洗剤を数滴混ぜたもの)
- カッター(フィルムのトリミング用)
- エッジ刃(気泡抜き用)
- ウエス(マイクロファイバークロス)
- マスキングテープ
- ガラスクリーナー(中性洗剤など)
- はさみ
貼り付け手順
- ガラス表面を徹底的に清掃:中性洗剤で油汚れやホコリをしっかり落とし、ウエスで水滴を完全に拭き取る。
(汚れや埃が残ると、フィルムが剥がれやすくなる) - フィルムを仮合わせ:あらかじめ窓枠にマスキングテープでフィルムを仮止めし、位置を調整する。
- 裏面(粘着面)に水スプレーをかける:スプレーボトルでフィルム裏面全体に水+中性洗剤液を吹きかけると、位置出しがしやすくなる。
- ガラス面にも水スプレーをかける:水を適度に吹きかけておくと、フィルムを貼り付けたときに気泡が抜けやすい。
- フィルム粘着面をガラスへ貼り付け、スキージーで中央から外側へ向かって水分と気泡を押し出す。
(一度貼り付けた後も、位置がずれやすいので注意) - 上下・左右の位置をマスキングテープで固定し、カッターで余分なフィルムを窓枠に沿ってカット。
(カッターは刃先を斜め45度に寝かせると、傷がつきにくい) - 残った水分をスキージーで完全に押し出し、最後にウエスで拭き取る。
(エッジ刃を使って、縁に残った水をきれいにふき取ると仕上がりが美しくなる) - 貼り付け後24時間ほど置いて水分を完全に蒸発させる。
(湿気が残るとフィルムが剥がれやすくなるため、窓を閉めた状態で乾燥させる)
DIY施工の注意点
- 直射日光が当たると水が乾くのが早すぎて気泡が抜けにくくなるため、曇りの日や風通しの良い日陰で作業すると成功率UP。
- 気泡が入っても焦らず、スキージーで何度も押し出しながら丁寧に仕上げる。
(一度完全に貼ってしまうと、剥がすときに傷がつくことがあるので慎重に) - 貼り付け後1週間以内に、角が浮いてこないか定期チェックを行い、浮きや剥がれがあれば早めに補修する。
業者に依頼する場合の費用と施工事例
DIYに自信がない方や大きな窓、複数枚を一度に貼りたい場合は、専門業者へ依頼しましょう。以下は業者依頼時の費用目安と事例です。
業者依頼の費用相場
- 飛散防止フィルム(50μm)貼り付け:5,000~7,000円/㎡
- 防犯強化フィルム(100μm以上)貼り付け:8,000~12,000円/㎡
- UVカット+断熱機能付きフィルム貼り付け:10,000~15,000円/㎡
- 出張費・下地処理・剥離シート(古いフィルム撤去)費用などが別途3,000~5,000円程度かかる場合もある
施工事例
- 戸建ての掃き出し窓(W1,800mm × H2,000mm)に防犯強化フィルムを貼り付け:総費用約60,000円(フィルム+施工費+出張費)
- マンションのバルコニー窓(W1,200mm × H2,200mm)にUVカット・断熱フィルムを施工:総費用約50,000円
- 小窓(W600mm × H800mm)4枚セットに飛散防止フィルムをDIYキットで一括施工:費用約25,000円(材料費+送料)
まとめ
玄関や勝手口の窓に防犯ガラスフィルムを貼ることで、飛散防止・侵入抑止・UVカット・断熱効果を低コストで実現できます。DIY施工も可能ですが、気泡や剥がれを防ぐための下準備と丁寧な手順が必要です。大きな窓や複数枚を一度に施工する場合は、専門業者への依頼で安心かつ美しい仕上がりを狙いましょう。




