シロアリ・羽蟻駆除を自分でやるには?専門家が教える費用節約ガイド
シロアリは木造住宅構造を内部から食害し、放置すると構造耐力を著しく低下させます。専門業者による土壌処理+木部注入は㎡あたり8,000~12,000円、50㎡で約40万~60万円が相場。しかし、ベイト工法キットを用いた初期対応ならDIYでも一定の効果を得られます。本記事では「DIY可否」「メリット・デメリット」「必要道具」「節約シミュレーション」を専門家視点で解説します。
1. 自己解決は可能?
小規模・初期被害(羽蟻が出始めた段階)であれば市販のベイト工法キットを用いたDIY対応が可能です:
- ベイトステーション設置:シート状ベイトや小型ステーションを壁際・基礎周囲に配置。
- 羽蟻飛来監視:飛来口付近にベイトを置き、巣内部へベイトを持ち帰らせる。
- 定期点検:1ヶ月ごとにステーション内の消耗状況を確認し、再補充。
ただし、広範囲や長年の被害、土壌渡り経路のバリアが必要な場合は専門業者の薬剤処理と点検口設置を推奨します。
2. DIYのメリット・デメリット
メリット
- 低コスト:ベイトキット1セット(5~10ステーション分)で3万~5万円程度。
- 安全性:毒餌を直接触れずに設置できる密封型ステーションでペット・子ども安心。
- 簡易管理:ステーションは屋外基礎周囲を中心に配置し、1~2週間ごとの確認だけでOK。
デメリット
- 効果発現まで時間がかかる:巣全体への浸透には2~3ヶ月程度必要(メーカー公称値)。
- 土壌バリア不備:土壌処理なしでは、周囲から再侵入されるリスク。
- 点検口不要環境:内部構造の確認や巣の所在特定が難しいケースあり。
3. 必要なものと選び方
- 市販ベイトステーションキット:木部誘引成分+イミダクロプリド系毒餌の組み合わせ。耐水カートリッジ式がおすすめ。
- 設置用ブラケット・固定具:基礎や外壁下部にしっかり取り付けるためのステンレスブラケット。
- 羽蟻監視用ライトトラップ:羽蟻の飛来箇所を特定する簡易トラップ。暗所で光に誘引させる。
- 点検用カメラ(オプション):点検口がない場合、狭隙部を確認できるファイバースコープが便利。
- 保護手袋・マスク:薬剤取扱時や掃除時の安全対策。
4. 業者依頼と比較した節約シミュレーション
50㎡相当の被害箇所に対し、DIYベイト工法と専門業者土壌処理で比較:
- 業者依頼:
・土壌バリア処理:㎡8,000円×50㎡=40万円
・木部注入処理:㎡4,000円×30㎡=12万円
・点検口設置:2万円
→ 合計約54万円 - DIY:
・ベイトステーションキット:5万円
・ブラケット固定具:5,000円
・羽蟻ライトトラップ:3,000円
・保護具:2,000円
→ 合計約6.0万円
結果:約54万円 → 約6万円と約89%のコストダウンが可能です。
5. まとめ
シロアリ初期段階のベイト工法はDIYでも効果が期待できますが、土壌バリアや点検口が必要なケースでは専門業者の施工が必須です。DIYはあくまで初期対応とコスト抑制策として活用し、長期的な防除計画にはプロの技術と保証を併用してください。




