DIYで窓枠塗装+ガラス交換を行うメリットと準備
窓枠の木製・アルミ製フレームが古く塗装が剥がれてしまったり、ガラスが傷ついたり割れたりした場合、
「窓枠塗装」と「ガラス交換」を同時にDIYで行うことで、コストを抑えつつ家全体の見た目を一新できます。ただし、作業には以下のような準備と注意点が必要です。
- 必要な道具・材料を揃える
窓枠用ペイント、下地調整用サンドペーパー、塗装用刷毛・ローラー、マスキングテープ、養生シート、
新しいガラス(ペアガラスや飛散防止ガラスなど)、ビート材、シリコーンシーリング材、ゴム手袋、保護メガネなど。 - 作業手順の順番を確認
塗装とガラス交換を同時に行う場合、「ガラスを先に交換してから窓枠を塗装」するか、
「窓枠を塗装してからガラス交換」するかを組み合わせて検討。
基本的には、塗装→ガラス交換→最終調整(シーリング)がスムーズです。 - 天候や気温を考慮
塗装後の乾燥時間が必要なため、雨天や高湿度・低温期は避ける。
ガラス交換時に窓が開けられる状態で塗装乾燥させると効率的。
Step1:既存ガラスの撤去と廃棄
ガラス交換から始める場合、最初に古いガラスを撤去し、
窓枠をきれいに準備する必要があります。
1-1. 作業環境の養生
- 窓周辺の床や家具に養生シートを敷き、保護。
窓の下にバスタオルやダンボールを敷くと、
割れた破片が床に当たっても傷つきにくい。 - 窓周囲の壁やサッシ枠にマスキングテープを貼り、
作業時の塗料飛び散りを防ぐ。
1-2. 古いガラスの取り外し
- 安全手袋と保護ゴーグルを着用。
- 押さえゴム(ビート材)や押さえ金具を取り外し、
古いガラスを外す。
(破れている場合は破片を慎重に取り除き、テープで仮固定しながら外す) - 割れたガラス片を厚手のビニール袋や段ボール箱に入れ、
自治体の廃棄ルールに従って処分。
1-3. サッシ枠の下地調整
- サッシ枠のガラス溝に残った旧ビート材・シーリング材をスクレーパーで除去。
- サッシ枠の表面をサンドペーパー(#120~#240)で軽くこすり、
塗装下地を平滑にする。 - 清掃用ウエスでサッシ枠のホコリを完全に拭き取り、
乾燥した状態にする。
Step2:窓枠塗装—下地処理から塗装までの手順
窓枠を塗装する際は、以下の手順で丁寧に下地処理を行い、美しく仕上げましょう。
2-1. 防腐・防水下塗り(木製窓枠の場合)
- 木製の窓枠が腐食している場合、
木部用下地調整剤(木部パテなど)で傷や凹みを補修。 - 下地補修後、防腐・防カビ効果のある下塗り塗料(シーラー)を塗布。
木部がシーラーを吸い込むのを十分に待つ(約1~2時間)。 - サンドペーパー(#240)でシーラー塗膜を軽く研磨し、
平滑な下地を作る。
2-2. プライマー塗装(アルミ窓枠の場合)
- アルミ窓枠は錆びにくいが、
下地塗装としてアルミ専用プライマーを使うと、
上塗り塗料の密着性が向上する。 - プライマー塗布後、完全に乾燥するまで待つ(製品によって異なる)。
2-3. 上塗り:仕上げ塗装
- お好みの窓枠用塗料(木部用かつ紫外線・防カビ添加剤入り、
アルミ用高耐候性塗料など)を用意。
一般的には水性ウレタン塗料が扱いやすく寿命も長い。 - ハケまたはローラーで、木目や塗りムラが残らないよう均一に塗布。
端部やコーナーはハケで丁寧に刷り込む。 - 1回目塗りが乾いたら(約2~3時間程度)、
再度サンドペーパー(#320)で軽く研磨し、
2回目塗りを行う。二度塗りすることで深みのある色と耐候性が得られる。 - 仕上げに防汚トップコートやクリア塗料を薄く塗ると、
汚れ防止とツヤ感がアップ。
塗装乾燥後は24時間以上放置して完全硬化を待ち、その間は窓の開閉を避けること。
Step3:新しいガラスの取り付け—シーリングとビート材の使用法
窓枠が塗装できたら、新しいガラスを取り付けましょう。以下の流れで進めると気密性・防水性が高まります。
3-1. ガラス溝へのビート材・ガスケット設置
- ガラスをサッシに当てたときの浮き・歪みを防ぐため、
あらかじめ耐候性ビート材(EPDMゴムなど)を押し込む。 - ガラスの縁にゴムガスケットを貼り付ける場合は、
ガラス一周に付着させ、隙間を完全に埋める。
3-2. ガラスユニットの慎重な取り付け
- 新しいガラスを持ち上げ、
サッシ溝に垂直に差し込む。
(丸みのある吸盤ハンドルを使用すると取り扱いが楽) - 水平器を当てながら、
ガラスが傾かずに垂直にセットされているか確認。 - 押さえゴムまたは押さえ金具を元に戻し、
ガラスを強く挟み込む。 - シリコンシーリング材をガラス周囲に満遍なく充填し、
水の浸入や気密性を保つ。
シーリング材の表面はヘラで均し、
ガラスとサッシの取り合いがしっかり密着。
施工後はシーリングが完全に硬化するまで触れず、
最低でも24時間程度は窓の開閉を避ける。
DIYで両方同時に行う際の注意点とコツ
- 作業順序の最適化:まず既存ガラス撤去→サッシ枠下地処理→塗装(乾燥待ち)→新ガラス取り付け→最終シーリングと工程を区分し、
塗装が乾燥する間に別の窓で同作業を進めると効率的。 - 養生を徹底:塗装時の塗料飛散を防ぐため、
周囲のインテリアや壁、床をビニールシートやマスキングテープで保護。 - 屋外の天候に注意:塗装は晴天・乾燥時に行う。
ガラス交換は風が強すぎるとガラスユニットが風で浮くリスクがあるため、
風速が5m/s以下のときに作業推奨。 - ガラス搬入時の取り扱い:ガラスユニットは非常に重いので、
滑り止め付き手袋を着用し、
窓開口と運搬経路に障害物がないか事前確認する。 - 廃材処分方法を確保:割れたガラスや剥がした塗装屑をまとめる大きなゴミ袋や段ボールを用意し、
自治体収集ルールに従って分別廃棄。 - 健康・安全管理:塗装作業中に発生するシンナー臭や粉塵を吸わないよう、
十分な換気とマスクを着用。ガラス交換時には防護メガネ着用で飛散防止。
まとめ
DIYで窓枠塗装とガラス交換を同時に行うと、コストを大幅に削減しつつ家の印象を一新できるメリットがあります。ただし、作業工程は多岐にわたり、それぞれに適した下地処理・工具・安全対策が必要です。
以下のポイントを守って、DIYにチャレンジしてみてください。
- 作業工程を「ガラス撤去→サッシ下地処理→塗装→ガラス取り付け→シーリング」で計画的に進める
- 作業環境を十分に養生し、飛散や塗料飛びを最小限に抑える
- ガラス取り扱い時は滑り止め手袋と防護メガネを装着し、安全最優先で作業
- 塗装は晴天・乾燥期を選び、各塗膜の硬化時間を必ず確保する
- 廃材(割れたガラスや剥がした塗膜)は自治体ルールに従って適切に処分する
DIYが難易度高いと感じる場合は、ガラス交換(断熱ガラスや飛散防止ガラス)と窓枠塗装を別々に専門業者へ依頼し、品質と安全性を優先するのも良い選択です。




