賃貸物件でガラスを割ったとき、まずオーナーへ連絡を
賃貸マンションやアパートでうっかり窓ガラスを割ってしまうと、どこに相談すべきか迷われると思います。まずは管理会社や大家(オーナー)へ速やかに連絡をしてください。無連絡のまま放置すると、後で「修理費用の全額請求」や「違約金請求」のリスクが高まります。
- 連絡先は契約書に記載:契約書や入居時の書類に「緊急連絡先」や「管理会社の電話番号」が記載されているはずです。
- 破損状況を写真で記録:連絡前に割れたガラスの写真をスマホで撮影し、オーナーや管理会社に送っておくと、後でトラブル防止になります。
- 防犯上の応急処置を行う:ビニールシートや段ボールで割れた面を塞いで安全を確保しておくと、風雨や虫の侵入を防ぎ、隣家からのクレームを抑えられます。
管理会社・大家が指定するガラス修理業者を優先すべき理由
賃貸契約には「専用修理業者を利用すること」が明記されている場合があります。これを守らずに自分で業者を手配すると、請求金額が高額になったり、保証対象外と判断されることがあるため要注意です。
指定業者を利用するメリット
- 費用負担が明確:管理会社経由で見積もりを取得するため、不当な追加請求を防げる。
- 工事品質の担保:普段から建物を管理している業者なので、既存サッシの状態も把握しており、スムーズに交換できる。
- 保証やアフター対応:賃貸物件のメンテナンス契約に含まれている場合、修理後の不具合に対して追加費用がかからないケースもある。
自費で修理する場合の費用相場と入居者負担の目安
指定業者がない場合や、オーナーと相談の上で入居者が修理するケースもあります。そのときの費用相場は以下の通りです。
- 単板ガラス(3~5mm厚)の交換:8,000~15,000円/枚
(既存ガラス撤去+施工費+廃材処分費含む) - 網入りガラスの交換:12,000~20,000円/枚
- 合わせガラス(防犯ガラス):20,000~30,000円/枚
- オーダーメイドサイズや特殊加工(型板ガラス、くもりガラスなど):30,000~50,000円/枚
入居者負担の目安は「割れた原因が故意や過失による場合は全額自己負担」が原則です。ただし、以下のようなケースではオーナー負担になることがあります。
- 老朽化やガラス枠の歪みによる破損
- 地震・強風・火災など不可抗力による破損
- 周辺工事で飛来物が当たって割れた場合
応急処置の手順:割れたまま放置しないために
次の手順で応急処置を行えば、風雨や虫の侵入を一時的に防げます。最終的な修理までの間に必ず行っておきましょう。
必要な道具
- 厚手ビニールシート(1m×1m以上)
- 段ボール(窓枠よりやや大きめにカット)
- 布ガムテープまたは養生テープ
- 厚手の作業用手袋
- はさみまたはカッター
応急処置手順
- まずは手袋を装着し、飛び出している破片をそっと外し、バケツや丈夫な箱にまとめる。
- 段ボールを窓枠より縦横1~2cm大きめにカットし、窓の内側から押し込んで仮固定。
- 段ボールの四辺を布ガムテープでしっかり貼り付け、風雨や虫が入らないよう密閉。
- その上からビニールシートを張り、もう一度テープで固定すると二重の防護になる。
- 外からも同様に段ボールやビニールシートを貼り、完全に覆うとより安心。
退去時の修理費用精算でトラブルを避けるポイント
退去時に「ガラス修理費用の請求トラブル」を回避するために、以下の点に注意しましょう。
明細を確認する
- オーナーから請求が来たら、必ず「どのガラスがいくらで交換されたか」の見積書・請求書を確認。
- 入居者負担分が適切かどうか、ガラスの種類・サイズ・施工費などが過剰に上乗せされていないかチェックする。
写真で状態証明を残しておく
- 入居時のガラスの状態写真があれば、元からヒビが入っていたり汚れがあった箇所を証明できる。
- 修理前・修理後の写真を必ず記録し、トラブル時に根拠として提示できるようにしておく。
修理業者への支払いは立替せずにオーナー経由で
- 自己手配で修理する場合でも、まずはオーナーの許可や調整を得てから業者に依頼する。
- 修理費用は一度オーナーに立て替えてもらい、退去時に敷金から相殺してもらうとトラブル防止になる。
まとめ
賃貸物件の窓ガラスを割ってしまった場合は、速やかに管理会社・大家へ連絡→応急処置で破片処理とビニールシート等による仮塞ぎ→オーナー指定業者に修理依頼→退去時の費用精算時には請求書や写真で細部を確認という流れが適切です。勝手に高額業者を手配したり、修理完了後に詳細を確認せずに請求額に承諾してしまうと、退去時に思わぬトラブルを招きます。必ずオーナーと連携しながら、正しい手続きを踏んで修理を行いましょう。




