水圧が低いときにまず確認すべきポイントと改善方法

水圧が低いときにまず確認すべきポイントと改善方法

水圧が低い原因とは?日常生活への影響

「シャワーの勢いが弱い」「キッチンの蛇口からポタポタしか出ない」――こうした水圧低下トラブルは、快適な生活を大きく損ねます。まずは、水圧が低いときに考えられる主な原因と、それがもたらす影響を押さえておきましょう。

1. 給水元栓・止水栓の全閉・半閉

  • 引越し後や工事後に給水元栓を完全に開け切れていない場合、家全体の水圧が低下します。
  • キッチン下・洗面所・トイレ脇にある止水栓が半閉になっていると、
    その場所より下流の水圧が弱くなるため、流量が低下。

2. 配管の内部に詰まった汚れ・サビ・スケール

  • 給水管や蛇口内部に長年の使用で付着したカルシウムスケールやサビが、
    配管内径を狭めることで水量を制限し、水圧が低く感じられる。
  • 特に築20年以上の古い銅管や塩ビ管は内部がザラつきやすく、詰まりリスクが高まる。

3. 建物全体/地域の水圧事情

  • 集合住宅の上層階では、地上からの給水ポンプだけでは十分な圧力が確保できず、
    戸建て以上に水圧が低くなるケースがある。
  • 地域の水道本管が細い、または近隣で断水・メンテナンスが行われている場合は、
    一時的に水圧が低くなることがある。

水圧低下がもたらす影響

  • シャワーの湯量不足で浴び心地が悪くなる、片手で洗いづらくなる。
  • 自動食器洗い機や全自動洗濯機の排水・給水に時間がかかり、稼働時間が長くなる。
  • 浄水器やウォーターサーバーの給水が滞り、水質フィルター性能が低下することがある。

自分でできる初期チェック:簡単な手順で原因を特定

プロを呼ぶ前に、まずは自分でできる範囲で水圧低下の原因を絞り込んでみましょう。以下のステップを順に試すだけで、多くは解決できます。

Step1:給水元栓・止水栓の開閉状態を確認

  1. 自宅外・屋内にある給水元栓(メーター横)を最大に開ける。
  2. キッチン下・洗面所下・トイレ脇などにある止水栓(ハンドル型・レバー型)を確認し、完全に開いた状態にする。
  3. 各水栓(蛇口・シャワー・洗濯機用給水栓)をひとつずつ開け、水が勢いよく出るかをチェック。

Step2:蛇口・シャワーヘッドのフィルター網を掃除

  • 水栓本体先端にある「ストレーナー」と呼ばれる細かい網フィルターに、
    砂やカルキかすが詰まっていることが多い。フィルターを外して流水で洗い流す。
  • シャワーヘッド内部の水量調整プレートが固まって動かない場合、
    シャワーヘッドを取り外し、水を通して目づまりを取り除く。

Step3:家中の水栓を同時に開けてみる

  1. 全ての蛇口・シャワー・トイレ(流しっぱなしでよい)を開け、同時に水が出るか確認。
    どこかで突然圧力が極端に低下する場合は、配管内部かバルブ不良が疑われる。
  2. 全開時でもどこも勢いが弱い場合は、地域の水道局に問い合わせて、
    給水本管の工事や断水情報を確認する。

応急的な改善策:DIYで試せる手順と注意点

上記の初期チェックで「フィルター詰まり」や「止水栓半閉」が原因だった場合は、DIYで簡単に解消できます。以下の方法を参考にしてください。

1. 蛇口先端のストレーナー掃除・交換方法

  • 手順
    ①蛇口先端のキャップを手で回して外す(固い場合はマイナスドライバーで軽くこじる)。
    ②内側にある金属製や樹脂製のフィルター網(ストレーナー)を取り外し、
    歯ブラシや古歯ブラシで付着したゴミやカルシウムをこすり落とす。
    ③流水で十分にすすぎ、新品同様にキレイになったら元の位置に戻し、キャップを締める。
  • 注意点
    フィルターを外すときに、パッキンが一緒に外れたり切れたりすることがあるため、
    パッキンを紛失しないようにトレーやタオルの上で作業する。
    パッキンが痛んでいたら同時に交換すると漏水予防になる。

2. 止水栓のメンテナンスと給水元栓の完全開放

  • 止水栓のチェック
    ①止水栓(ハンドル型)は、ハンドルを反時計回りに最後まで回して完全に開ける。
    ②経年で固着して回らない場合は、CRC556などの浸透潤滑スプレーをハンドル周辺に吹き付け、
    しばらく置いてから再度回す。力任せに回すとバルブを壊すため要注意。
  • 給水元栓の確認
    ①自宅前の配水メーター上部にあるバルブを、スパナや大きめのモンキーレンチで完全に開ける。
    ②このとき、閉まっていると水圧が弱くなるため、工事業者が締めたままにしていないかを確認。
    ③バルブを開け切った後は、水道メーターのパイロット(羽根)が正常に回るかをチェック。

本格的な改善策:業者への依頼が必要なケースと相場

DIYで対応できない場合や配管内部のサビ・スケールが原因である場合は、専門業者に依頼する必要があります。以下に、依頼すべき状況と費用目安をまとめました。

依頼すべきケース

  • 築20年以上の家で、複数の蛇口から同時に水圧低下が起きている場合。
    配管内部に大規模なサビ・スケール堆積が疑われる。
  • 給水ポンプを設置している集合住宅の上層階で常に水圧が低い場合。
    ポンプの点検やプレッシャータンク交換が必要。
  • 配管経路に複数の分岐や継手がある場合で、どこが詰まっているか素人判断が難しいケース。
  • 水道メーター近くで配管から異音(ゴボゴボ・キュルキュル音)が聞こえる場合。
    水道本管側の問題や地下配管の詰まりが疑われる。

費用相場

  • 配管内部クリーニング(薬剤+高圧洗浄):15,000~25,000円(10~15m相当)。
  • 給水ポンプ(加圧ポンプ)設置:40,000~70,000円(ポンプ本体+工事費)。
  • 減圧弁/レギュレータ設置:10,000~20,000円(部品+工事費)。
  • 配管交換(銅管・塩ビ管1mあたり):8,000~12,000円(撤去+新規配管+廃材処分含む)。
  • 止水バルブ交換(1か所):5,000~8,000円(部品+工賃)。

減圧弁(レギュレータ)の活用で安定した水圧を得る方法

給水本管からの水圧が急激に高い場合、逆に水道メーター手前に減圧弁を設置して、適切な水圧を確保する方法があります。

減圧弁の役割と設置メリット

  • 主に「給水本管の水圧が5kg/cm²を超える」ときに設置。
    家庭用は1~2kg/cm²程度(約0.1〜0.2MPa)が適正水圧。
  • 水圧が高すぎると配管継手や水栓内部のOリングが痛みやすく、
    漏水リスクが高まる。減圧弁で水圧を安定させることで、配管寿命を延ばせる。
  • シャワーの勢いが強すぎると水はねがひどくなるが、
    減圧弁を通すことで適度な水圧になり、節水効果も期待できる。

設置手順と注意点

  1. 給水元栓のすぐ下流側に設置スペースを確保する(スペースは配管の直線部で約15cm以上必要)。
  2. プロにより既存配管を切断し、減圧弁本体を取り付ける(塩ビ管は接着、銅管はハンダ付け)。
  3. 減圧弁のアジャスターで、適正水圧(約1.0〜1.5kg/cm²)に調整する。
    テスターで水圧を測定しながら微調整を行う。
  4. 設置後、蛇口やシャワーを同時に開け閉めしても水圧が安定しているかを確認する。
  5. 減圧弁は年1回程度、圧力調整部やシール部のメンテナンスが必要。

減圧弁導入コスト:部品代=5,000~10,000円、工賃=5,000~10,000円が目安。

DIYでは難しいケースとプロに依頼する判断基準

以下に該当する場合は、DIYでは解決困難なケースと判断し、専門業者に依頼してください。

  • 築30年以上の古い建物で、配管が石綿セメント管や鉛管の可能性がある場合。
    アスベストや鉛は取り扱いに専門知識が必要。
  • 配管が壁やコンクリートに埋設されており、アクセスが困難な場合。
    開口作業や復旧作業に専門工事が必要。
  • 減圧弁設置後にも水圧が不安定で、原因が給水本管やポンプの不具合と判明した場合。
    ポンプ交換や本管調整はDIY範囲外。
  • 水道メーター近くで水道局の配管工事が必要なケース。
    地域の水道設備に関わるため、住民が勝手に触ると問題となる。

まとめ:原因を特定し、DIY→業者依頼の流れをスムーズに

水圧低下トラブルは、「止水栓の閉じ忘れ」「フィルター詰まり」「配管内部のサビやスケール」「建物・地域の給水事情」など多岐にわたります。
まずは自分で「給水元栓・止水栓の開放」「ストレーナー掃除」「全水栓同時開放」を試し、簡単な原因を潰すことが重要です。
それでも直らない場合は、「配管内部クリーニング」「減圧弁設置」「配管交換」など本格的な対策が必要になりますので、費用相場を把握したうえで専門業者に相談しましょう。
初期対応を的確に行うことで、短期間で改善し、快適な水圧を取り戻せます。

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