蛇口(シングルレバー)の種類と構造を理解する
家庭のキッチンや洗面台でよく使われる「シングルレバー混合水栓」は、内部に「カートリッジ」が入っており、レバー操作で温度と流量を調整します。水漏れが起きる場合、主に以下の3つが原因となります。
- 内部カートリッジの摩耗・劣化
- パッキン(Oリング)の劣化
- 本体ナットや給水ホースの緩み
まずは、どの部分が原因かを見分けることで、修理手順を決められます。
シングルレバー水栓の内部構造イメージ
- レバーハンドル:上げ下げで流量、左右で温度を調整。
- カートリッジ:レバー連動で開閉する部品。摩耗すると水が絞りきれなくなり、チョロチョロ漏れる。
- Oリング・パッキン:レバー根元の水密を保つゴム部品。劣化するとハンドル周辺から水が浸み出す。
水漏れ箇所を特定するチェックリスト
以下の項目を順にチェックし、どこから水が漏れているのかを特定しましょう。
ハンドル根元からの漏れチェック
- レバーハンドルを閉じた状態でも、蛇口根元の付け根に水がにじんでいる場合はOリングまたはパッキンの劣化が原因。
- 指で根元を軽く押さえると水がポタポタ落ちてくるかを確認。
吐水口(先端)からの漏れチェック
- ハンドルを閉じた状態でも、吐水口から滴が落ち続ける場合は内部カートリッジの摩耗が考えられる。
- ハンドルの上下位置で漏れ具合が変わるか確認し、完全に閉じても水が残っているかチェックする。
ハンドル後方や本体ナット周辺からの漏れチェック
- 洗面台の下にバケツを置き、蛇口を軽く動かすとその下の配管ナット部から水が滲む場合は、ナットの緩みまたは給水ホースの劣化が原因。
- 触ってみてナットに緩みがないか指で回して確認。
Oリング・パッキン交換の具体的手順
ハンドル根元からの漏れが確認できたら、Oリングやパッキンの交換を自力で行いましょう。
準備するもの
- メーカー純正または汎用品のOリング・パッキンセット(蛇口の型番を確認して購入)
- プラスドライバー(カバー取り外し用)
- 六角レンチまたは専用レンチ(ハンドル固定ネジ用)
- ゴム手袋・ウエス
交換手順
- 止水栓を閉め、蛇口から水が出ないことを確認。
- ハンドル上部にあるプラスねじ隠しキャップをドライバーで外し、六角ネジを緩めてハンドルを上に引き抜く。
- ハンドルを外すと、カートリッジ固定ナットが見えるので、レンチで反時計回りに緩め、ナットを取り外す。
- カートリッジを引き抜き、周囲のOリング・パッキンをプライヤーや指で外す。
- 新しいOリング・パッキンを元の位置に取り付けし、カートリッジを元に戻す。
- カートリッジ固定ナットを締め、ハンドルを固定ねじで締め直し、キャップを戻す。
- 止水栓を開け、水漏れが止まっているか確認。
カートリッジ交換が必要な場合の手順と注意点
ハンドルを閉じても吐水口から水が止まらない場合は、内部のカートリッジ劣化が原因です。以下の手順でカートリッジ交換を行いましょう。
用意するもの
- 蛇口メーカー純正の交換用カートリッジ(型番を事前に確認)
- プラスドライバー・六角レンチ
- ゴム手袋・ウエス
交換手順
- 止水栓を閉め、蛇口を開けて残っている水を出し切る。
- ハンドルを外し、カートリッジ固定ナットをレンチで緩める。
- 劣化したカートリッジを引き抜き、新しいものと交換。
(古いカートリッジを外した際に、内部のシールパッキンが一緒に外れる場合があるので注意。) - 新しいカートリッジを元の向きで挿入し、固定ナットを締め付ける。
- ハンドルを取り付け、止水栓を開けて動作を確認。
本体ナットや給水ホースの緩みを直す方法
蛇口本体と配管をつなぐナットが緩んでいる場合も、水漏れが起きます。給水ホースが劣化しているケースもあるため、以下の手順を試しましょう。
ナット締め直し手順
- ゴム手袋をはめ、洗面台下の配管ナット(給水ホース接続部)をプライヤーで締め直す。
- しっかり締めたあと、止水栓を緩めて給水し、漏れが止まっているか確認。
給水ホース交換手順
- 給水ホースが古くひび割れている場合は、同じ長さ・規格のホースと交換。
- ホースの上下ナットをプライヤーで緩め、古いホースを取り外す。
- 新しいホースを取り付け、ナットを軽く締めたあとプライヤーで一回転ほど締め込む。
- 止水栓を緩め、水を通して漏れをチェック。
まとめ
蛇口の水漏れは、ハンドル根元のOリング交換→カートリッジ交換→配管ナット・給水ホースの締め直しまたは交換の順で対処しましょう。パーツ交換が必要な場合は、必ず蛇口メーカーの純正品を使用し、止水栓を閉じてから作業することを徹底してください。自力で対応が難しい場合は、水道屋へ相談し、正確な原因特定と修理を依頼するのが安全です。




