トイレタンクから便器への漏れ(フラッシュバルブ不良)の見分け方
トイレのタンクと便器をつなぐフラッシュバルブが劣化すると、タンク内の水が便器へポタポタ流れ続けるようになります。以下の手順で原因を特定しましょう。
水漏れの確認手順
- タンクの蓋を外し、中でジーまたはポタポタと音がしているか耳を近づけて確認。
- タンク内の水面でフロートバルブ(ゴムフラッパー)が密着しているかどうかを目視。押しても水が流れ続ける場合はフラッパー交換が必要です。
- ゴムフラッパー周辺に【汚れやカルキが付着】していると密閉が甘くなり、隙間から水が漏れる原因に。
- フロートバルブの位置が正しくなく、水位が高すぎる場合は浮き玉(フロート)が引っかかっていないかをチェック。
タンク内ゴムフラッパー(フラッシュバルブ)の掃除・交換手順
フラッパーが劣化している場合は、ホームセンターやAmazonで交換用ゴム部品を購入し、自力で交換できます。交換手順は以下のとおりです。
用意するもの
- 新しいゴムフラッパー(トイレのメーカー・型番に合ったものを選ぶ)
- ラジオペンチまたはプライヤー(クリップを外すときに使う)
- ゴム手袋・ウエス(手を汚さないため)
交換手順
- 止水栓を閉め、タンク内の水をバケツに移す、または便器内に排水してタンクを空にする。
- タンク蓋を外し、フラッパーを固定しているクリップ(プラスチック製の金具)をラジオペンチで外す。
- 古いゴムフラッパーを外し、新しいものを同じ位置に取り付け。
※取り付ける際、シリコングリスなどは使わず、ゴム面をしっかり乾いた状態で設置。 - フラッパーの動きを軽く手で動かし、水がしっかり止まるか確認。ゴムが奥にしっかり密着するように調整。
- タンクに水を戻し、フラッシュして漏れがなくなったかチェック。正常に止まれば完了。
床や壁へのシミ・漏れ跡がある場合の対応
水漏れが便器底部パッキン(ワックスリング)や給水配管接続部から起きている可能性も。床や壁に黒ずみや湿気シミが残っている場合は、フラッパー交換だけでは解決しないことがあります。
床排水パッキン(ワックスリング)漏れの見分け方
- トイレ便器の根本周辺に水がにじむ、または強いアンモニア臭がする場合は、ワックスリング劣化の可能性が高い。
- 便器を固定しているボルトを緩め、便器を少しずらして下に潜り込むか、下から覗き込んでワックスリングの形状を確認。
給水配管接続部からの漏れ対策
- トイレタンクに繋がる給水ホース(可撓ホース)が緩んでいる場合、手回しナットを締め直すと漏れが止まることが多い。
- ナット締め直しで解決しない場合は、給水ホース自体の劣化(内部パッキンの摩耗)が原因なので、新しいホースに交換。
- ホームセンターで「ゴムパッキン付き給水ホース」を購入し、古いものと交換。30分程度で完了します。
自力修理が難しい場合は水道屋へ依頼すべき目安
以下のような状況では、自力修理が難しいため速やかにプロ(水道屋)へ依頼しましょう。
自力修理を断念すべきケース
- 便器を外してワックスリング交換まで必要なケース
(配管をいじるため、知識と工具がないと水があふれるリスク大) - 天井裏や床下から漏れてくる場合
(どの配管が原因か素人では判別しにくく、大掛かりな点検と修理を要する) - 配管内部の詰まりによって便器が外せない場合や、配管破損が疑われる場合
業者依頼時に伝えるべき情報
- トイレのメーカー・型番(TOTO、LIXIL、Panasonicなど)
- 問題が起きている箇所(タンク内部・床排水・給水ホース・壁内配管など)
- 試した応急処置(止水栓を閉めた、フラッパー交換を試したなど)
- 築年数や過去に大規模工事をしたかどうか
まとめ
トイレの水漏れは、まずフラッパーやゴムバルブの状態をチェックして掃除・交換→床下・壁内からの漏れが疑われる場合はワックスリングや給水ホースの確認→自力では難しければ水道屋へ依頼という流れで対応しましょう。自力修理できる箇所は比較的費用を抑えられますが、配管交換や床下・壁内工事が必要な場合は専門業者へ相談するのが安全です。




