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鍵の修理
更新日: 2025.12.22

鍵が回らない・抜けない!自分で直せるケースと絶対NGな対処法

「鍵が刺さりにくい」「回らなくて家に入れない…」突然の鍵のトラブルは焦りますが、力任せに操作するのは厳禁です。実は、身近な「あるもの」を使うだけで解決できるケースも多い一方で、間違った対処で鍵を完全に壊してしまう人も後を絶ちません。
この記事でわかること
  • 本記事では、プロを呼ぶ前に試すべきセルフ対策と、修復不能になるNG行動、さらに賃貸物件での注意点を解説します。
⚡ まずはこれだけ 使い古しの歯ブラシで鍵の溝のゴミを落とし、鉛筆(Bまたは2B)で鍵の切り込みをなぞってから抜き差しを数回行い、最後に掃除機で鍵穴のホコリを吸い出すだけで改善することがあります。

【緊急】鍵穴のトラブルに今すぐ試すべき3つのステップ

・歯ブラシで鍵の溝を掃除する

鍵の溝に細かいゴミや糸くずが詰まっているだけでも、シリンダー内部のピンが噛み合わず、回りにくくなる原因になります。使い古しの歯ブラシで溝を丁寧にブラッシングし、浮き出た汚れを乾いた布で拭き取ってください。

・鉛筆(Bまたは2B)で鍵をなぞる

鉛筆の芯に含まれる黒鉛は、金属同士の滑りを良くする潤滑材として働きます。鍵の切り込み部分を鉛筆でやや強めになぞって黒く塗り、そのまま鍵穴に差し込んで何度か抜き差しを行ってください。
※作業後は、鍵の表面についた黒鉛を軽く拭き取ると、衣類の汚れ防止になります。

・掃除機で鍵穴のゴミを吸い出す

鍵穴の中に溜まった砂やホコリは、掃除機のノズルを直接当てて吸い出します。エアダスターなどで吹き飛ばすと、ゴミを奥に押し込んでしまうため逆効果です。鍵穴の掃除は「吸い出す」のが正解です。

※ エアダスターで吹かない
※油は使わない

【警告】故障を悪化させる!絶対にやってはいけないNG行動

市販の潤滑スプレー(Kure 5-56など)は使わない
鍵穴に市販の潤滑スプレーを注すのは、最も多い失敗例です。油分が鍵穴内部のホコリと混ざって固着し、数日後に完全に動かなくなることがあります。鍵専用でない潤滑油は、絶対に使用しないでください。
爪楊枝や針金を差し込まない
爪楊枝や針金などを鍵穴に差し込むと、内部の精密なピンを傷つけてしまう恐れがあります。一度傷が付くと修復はほぼ不可能で、さらに中で折れてしまうと、専門業者でも取り出すのが困難になります。
食用油(サラダ油など)は絶対NG
食用油を鍵穴に注ぐと、油が酸化してベタつき、シリンダー内部を破壊する原因になります。一時的に動いたように感じても、後から深刻な故障につながるため、決して使用しないでください。

自分で解決vsプロの業者

比較項目 自分で解決 (DIY) プロに依頼
費用目安 0円 〜 500円 8,000円 〜 50,000円
作業内容 表面清掃・黒鉛潤滑 分解洗浄・内部調整・交換
リスク 内部固着で全交換になる可能性 根本原因の特定と保証
スピード 直れば即時 最短15〜30分で駆けつけ
確実性 低い(応急対応) 高い(再発防止まで対応)

※ 掃除や鉛筆などの簡単な対処で改善しない場合や、上記の症状に当てはまる場合は、無理に自分で直そうとせず、早めにプロへ依頼することが結果的に安全かつ経済的です。

賃貸物件にお住まいの方が知っておくべき重要ルール

・賃貸物件の鍵は「大家さんの所有物」

アパートやマンションなどの賃貸物件では、鍵は入居者のものではなく、大家さん(管理会社)の所有物です。そのため、自己判断で対応すると、思わぬトラブルにつながることがあります。

・まずは管理会社へ連絡を

経年劣化による故障の場合、修理費用は大家さん負担になるのが一般的です。一方で、自分で無理に直そうとして故障を悪化させてしまうと、自己負担(善管注意義務違反)と判断されるリスクがあります。

・勝手な鍵交換は契約違反になる可能性も

防犯目的であっても、管理会社や大家さんの許可なく鍵を交換するのは契約違反となる場合があります。退去時に原状回復として元の鍵に戻すよう求められたり、緊急時に管理会社が入室できなくなるなどの問題が生じるため、必ず事前の承認が必要です。

・ポイント:迷ったらすぐ管理会社へ

賃貸物件の場合、掃除や鉛筆による簡単なセルフ対策で改善しない場合は、すぐに管理会社へ連絡するのが最も賢い選択です。自己判断での対応は避け、トラブルを未然に防ぎましょう。

プロの鍵屋を呼ぶべき「限界サイン」

以下のような場合は、無理せずプロに相談することを推奨します。

鍵が途中で折れてしまった 重度

鍵が途中で折れてしまった場合、鍵穴の内部に金属片が残っている可能性が高く、自力での取り出しはほぼ不可能です。無理に触ると内部の精密な部品を傷つけ、シリンダーごと交換が必要になることもあります。この状態になったら、これ以上操作せず、早めに専門の鍵屋へ依頼するのが安全です。

10年以上、同じ鍵を使い続けている 中度

鍵の寿命は一般的に約10年といわれています。長年使い続けた鍵は金属が摩耗・変形しており、鍵穴とのかみ合わせが悪くなります。動きが渋くなってきた状態で使い続けると、折れたり、回らなくなったりするリスクが高まるため、不具合を感じた時点で点検や交換を検討することが重要です。

鍵穴がグラグラしている、またはイタズラの跡がある 中度

鍵穴がぐらついている場合、内部の固定部品が緩んでいる、または破損している可能性があります。また、こじ開けようとした跡や異物が入れられた形跡がある場合は、防犯性能が著しく低下しています。放置すると突然開閉できなくなることもあるため、早急に専門業者による点検・修理を行いましょう。

💡 プロからのアドバイス ネット広告の「格安」だけで選ばず、口コミや追加料金の有無が明確な会社を選びましょう。

よくある質問

Q. 鍵が回らないとき、市販の潤滑スプレーを使っても大丈夫ですか?
A. Kure 5-56などの市販潤滑スプレーは、鍵穴内部のホコリと油分が混ざって固着し、数日後に完全に動かなくなるケースが非常に多いです。鍵専用でない油は使用せず、応急対応としては「歯ブラシで掃除」「鉛筆の黒鉛」「掃除機で吸い出す」までに留めてください。
Q. 賃貸物件で鍵が回らない場合、自分で修理しても問題ありませんか?
A. 賃貸物件の鍵は大家さん(管理会社)の所有物です。経年劣化による故障であれば修理費は大家さん負担になることが一般的ですが、自分で無理に直して壊してしまうと、自己負担(善管注意義務違反)になる可能性があります。掃除や鉛筆で改善しない場合は、早めに管理会社へ連絡するのが安全です。
Q. どんな状態になったら、プロの鍵屋を呼ぶべきですか?
A. 具体的には「鍵が途中で折れた」「10年以上同じ鍵を使っている」「鍵穴がグラグラする・イタズラ跡がある」といった場合は、内部部品の寿命や破損が原因の可能性が高く、自力対応は困難です。無理に触ると全交換になり、結果的に費用が高くつくため、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

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監修者
この記事を書いた人
暮らしのお困り事アドバイザーManami

10年間、生活のお困り事サービスサイトの運営に携わりお困り事アドバイザー&解決インフルエンサーとして活動しています。業界・ユーザーの双方の課題を解決してきた経験を基にわかりやすく情報を提供します。

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