便利屋スペース

事業を始めたのは、個人事業主として動いていた時期も含めると、今からおよそ6年前になります。もともと私は、祖父の代から続く町の電気屋の家業に携わっていて、地元に戻ってからも電気工事を中心に、地域の暮らしを支える仕事を続けてきました。その中で、草刈りや不用品回収など、電気以外のお困りごとをご相談いただくことが増えていきました。「地域の方が本当に困っている場面で、自分はどう役に立つべきか」を考えるようになり、より幅広く、より近い立場で支えられる方法を模索しました。その結果、「お客様のためを思うなら、自分が独立して便利屋として動くほうが良いのではないか」という思いに至り、家業の流れを引き継ぎつつ独立を決めました。 今も、地元の皆さまにとって、できるだけ身近で頼りにしていただける存在でありたいという気持ちを大切にしながら仕事を続けています。

ご依頼の中で最も多いのは庭仕事で、年間を通して全体の半分ほどを占めています。庭じまいに伴い、人工芝や砂利を敷くなどの外構工事まで依頼されるケースも増えてきました。あとは近年特に増えているのが「墓じまい」です。納骨堂へ移行する流れの中で、ここ1〜2年で相談件数が一気に増えたと感じています。 そのほか、不用品回収や住宅設備関係のご相談も多く寄せられています。地域ならではのご依頼として、八代市役所から依頼される「孤独死に伴う特殊清掃」も年々増え続けています。高齢化が進む地域の現実として実感していますし、もちろん買い物代行などの小さなご依頼も含め、幅広く対応しています。

私が大切にしているこだわりをひと言で表すなら、「ご依頼以上の価値を返す、一手間の徹底」です。たとえば、剪定後の落ち葉を最後まで丁寧に回収する、劣化した植木鉢をこちらで引き取る、点検や細かな修繕にも追加料金なしで対応する、といった“プラスアルファ”を、日々の現場で積み重ねています。その積み重ねが「頼んで良かった」と思っていただける結果につながると信じています。

ある80代の女性から、VHSビデオのDVDダビングをご依頼いただいたときのことです。お客様ご自身は、そのビデオの内容を把握していなかったのですが、DVDに変換して再生したところ、映っていたのは 亡くなられたお母様からのビデオメッセージ でした。遠方にお住まいだったため、看取ることも直接お話しすることもできなかったという事情があり、映像の中のお母様の姿を目にした瞬間、お客様は涙を流されていました。その姿に触れ、「この仕事をしていて本当に良かった」と心から感じた、忘れられない出来事です。 他にも、「お菓子が届いたから、お茶でも飲みにいらっしゃい」とお声がけいただき、伺ったところ、そのままリフォームをご依頼いただくということもありました。地域に根ざしているからこそ生まれる、温かいご縁を感じたエピソードです。

一番の強みは、家のことを “ほぼ丸ごと自社で対応できる” 幅の広さです。家業が電気店だったことから、住宅設備と電気まわりの知識がしっかり身についており、エコキュート・井戸ポンプ・配管工事・エアコン取り付け、さらには外壁や内装の工事までワンストップで対応できます。加えて、家電に関しては新品・中古の販売からリサイクル、設置まで一貫して対応可能です。「便利屋」という枠を超えて、専門分野の工事まで任せていただける点は、大きな差別化ポイントだと思っています。

業者選びについては、私自身「顔が見えること」「料金が明朗であること」「相見積もりを取ること」「地元業者を選ぶこと」の4つを特に大切にしてほしいと考えています。 このポイントを押さえるだけで、多くのトラブルは避けられます。 便利屋選びを安心して進めるためには、業者の素性が分かるかどうか、料金が不透明ではないか が非常に重要です。 また、相見積もりを取ると金額の差に驚かれることも多く、慎重に比較することをおすすめしています。 特に地元の業者は、地域で長く仕事を続けるためにも誠実さが求められる分、結果的に安心につながりやすいと感じています。 一方で、地元以外の業者に依頼して高額請求されたという話もよく耳にします。どこに頼むかを丁寧に選ぶことが、最終的に納得できる依頼につながると考えています。

3人の子どもを育てていることもあり、将来的には 子どもに関わる地域貢献の活動にも挑戦してみたい という思いがあります。 地域の中で支え合える環境づくりに、少しでも力になれたらと考えていますし、地域のニーズに耳を傾けながら、無理のない形で少しずつ事業を広げていければと思っています。