01 小さな困りごとを見逃さない。地域に選ばれ続ける理由
この事業を始められたきっかけをお聞かせください。
この事業を始めたきっかけは、同業の会社に勤める中で、「本当の意味で地域に根ざした会社とは何か」を考えるようになったことです。知名度のある企業であっても、必ずしも地域と誠実に向き合えているとは言えない場面に直面することがあり、そうした違和感が次第に大きくなっていきました。会社運営については手探りの状態でしたが、これまで現場で感じてきた“真摯さ”や“人と人との距離感”に対する疑問を原点に、「この状況を変えたい」という思いが強くなり、自ら会社を立ち上げる決断に至りました。
現在はどのようなご依頼が多く、年間でどれくらいの施工に対応されているのでしょうか。
現在多くいただいているご依頼は、外壁塗装や屋根工事といった比較的大規模なリフォームに加え、施工件数という点で見ると、圧倒的に多いのは小規模な工事です。近年は家電量販店やホームセンターなどもリフォーム業界に参入し、大きな工事を請け負う業者は増えていますが、水漏れ修理や部分的な補修といった小さな工事については、採算が合わないとして断られてしまうケースも少なくありません。当社では、そうした他社が対応しづらい工事を一つひとつ丁寧に引き受けていますので、年間ですとおよそ1,000件、創業からの累計施工実績は2,000件を優に超えています。
他社と比較した際の、御社ならではの強みやこだわりはありますか。
他社と比較した際の最大の強みは、私自身が職人の一人であり、お問い合わせをいただいた段階から施工完了まで必ず携わっている点です。一般的には、社長や責任者が現場に出ないケースも少なくありませんが、当社では担当者が途中で変わることがありませんので、お客様のご要望や不安を直接把握したうえで施工に反映することができ、品質のばらつきが起きにくい体制を維持しています。また、国家資格である一級塗装技能士が在籍している点も強みです。現場では技術だけでなくお客様との対話を大切にしながら工事を進めることを大切にしています。
現在の集客について、どのような形が中心になっていますか。
現在は広告にほとんど頼ることなく、口コミやご紹介によるご依頼が大半を占めており、取引先や既存のお客様、またそのご知人を通じてご縁が広がっています。日々の現場で一つひとつのご依頼に向き合い、お客様と同じ立場で誠実に対応してきた結果が、口コミという形でお声をいただいているのだと感じており、そうしたご評価をいただけていることを、大変ありがたく感じています。
地域密着の取り組みとして意識されていることはありますか。
地域密着の取り組みとして、夜間しか時間が取れないお客様にも対応できる体制を整え、フリーダイヤルはあえて設けず、私の携帯電話を連絡先に一本化することで、夜9時や10時といった時間帯や緊急時であっても、直接ご連絡をいただけるようにしています。また地元で活動しているからこそ、外構、フローリングの部分補修、網戸や畳・襖の張り替え、さらには電球交換といった、他社では採算が取れず対応をやめてしまっているような小さな工事も、受け皿として引き受けています。地元で活動しているからこそ、お客様のお孫さんと私の長男が同じ学年だったといった、思いがけないご縁に気づくこともあり、そうした距離の近さも当社ならではの特徴だと感じています。
お客様が業者を選ぶ際のコツや、注意すべきポイントがあれば教えてください。
まず確認していただきたいのは、「担当者が実際に現場へ入り、自社施工で工事を行っている会社かどうか」という点です。下請けや協力会社に大きく依存している場合、万が一トラブルが起きた際に、迅速かつ責任を持った対応が難しくなることがあります。塗装で言うと単に「塗る」ことではなく「いかに長く持たせるか」という視点で、塗料や施工方法についてきちんと説明してくれるかどうかを見極めてくれる業者選びも大事だと思います。中には、契約を優先するあまり住宅の状態に適している塗料ではなく、価格の安さを理由に別の塗料を勧められるケースも見受けられます。一見すると同じように見える塗料でも、耐久性に大きな差が出ることがあるので、塗料や施工方法について遠慮なく質問でき、その内容に納得できるまで説明を受けられる環境が整っているかどうかも、業者選びの大切な判断材料だと思います。
今後の展望について、地域の皆さまに向けたメッセージをお聞かせください。
今後は、お客様のためになるような、小さなショールームを地元に開設できればと考えています。大きな施設ではなく、地域の方が気軽に立ち寄れ憩いの場としても利用していただけるような身近な空間を目指しています。地元の人間として、これまで通り頼みにくいと感じられがちな小さな工事であっても、一つひとつ誠実に向き合い、どこよりも良い工事を提供し続けていきたいと考えていますので、住まいに関することで少しでもお困りごとがあれば、気軽に声をかけいただければ嬉しいです。

取材風景: リフォームのシンミ
