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この事業を始めたのは、もともと買い取り業での経験があったことが理由です。サラリーマンとして働いていた時期も順調でしたが、「自分で事業を立ち上げたい」という思いが強まり、経験を活かせる遺品整理の分野に目を向けました。買い取り店では、おじいさまの遺品など“品の整理”に関する相談が多く寄せられる一方で、片付け業者に関する「見積もりが大きく変わる」「追加料金を請求される」といった不信感の声を頻繁に耳にしていました。そこで、地域に根差し店舗を構えることで、安心して依頼できるサービスを提供したいと考え、この事業を立ち上げました。

大きめの案件だけで見ると、2〜3日かかる“まるごと回収”のご依頼が週に1〜2件、月にするとおよそ10件、年間では120件ほどになります。これとは別に、少量の回収や部分的な片付けといった小規模のご依頼も多く、件数としてはその倍以上にのぼります。対応エリアは、東京23区と埼玉県南部が中心で、草加市・八潮市・川口市など東京寄りの地域を主な対象として活動しています。

現在は、2LDKほどの規模の住まいを“まるごと片付けて、引き渡しができる状態にしたい・売却できる状態に整えたい、というご依頼が中心です。特に足立区は団地が多い地域ということもあり、ご両親が住まわれていた団地のお部屋を一括で整理したいというご相談を多くいただいています。

探していた印鑑が見つかった、というような小さな喜びももちろん印象に残っていますが、やはり事業を始めたばかりの頃に対応したお客様のことは今でも忘れられません。また、同業者が敬遠しがちな少し気難しい方にお喜びいただけた経験も、心に残っています。遺品整理の現場では、良いことばかりではありません。人生の節目に立ち会う場面も多く、必ずしも「温かい話」だけではない現実があります。核家族化が進む中で、避けて通れない事情を抱えたご依頼も増えており、そうしたひとつ一つの出来事そのものが、この仕事のエピソードになっていると感じています。

一番の強みは、見積もり後に追加料金が発生しないことです。作業前に料金をいただくこともありませんし、後日になって別途見積書を出すようなこともありません。作業の内容をご確認いただき、ご納得いただいてからご精算いただくという当たり前のことを、当たり前にきちんと行うことを大切にしています。また、外国人スタッフを使って人件費を抑えるような運営は行っておらず、すべて自社の責任で対応しています。その点に不安を持たれるお客様にも、安心してお任せいただける体制だと思います。

利用者の方が業者を探す際には、「安心して任せられる会社かどうか」を意識して見ていただくことが大切だと思います。正直なところ、遺品整理や不用品回収の業界には、まだ不安を感じさせる業者が存在するのも事実です。その中で判断材料のひとつになるのが、会社としての信頼性です。たとえば、固定電話を設置しているか、マンションの一室ではなく店舗を構えて事業を行っているかといった点は、安心材料になると思います。また、ホームページの内容や実際に利用した方の口コミを見ることで、仕事に対する姿勢や他社との違いが伝わってくるはずです。 当社の場合、銀行からの紹介でご依頼をいただくことも多く、そうした信頼を裏切らないよう、いい加減な仕事は一切できないという意識で取り組んでいます。利用者の方には、価格やスピードだけでなく、こうした点も含めて総合的に判断していただければと思います。

今後は、これまでの遺品整理や回収業務に加えて、空き家に特化したご相談にも力を入れていきたいと考えています。日本では空き家が“九州ひとつ分”と言われるほど増え続けており、放置すれば税金の負担も発生します。「空き家の問題はきちんと対処すれば解決できる」ということを、もっと多くの方に知っていただきたいと思っています。そのためにも、事業を大きくしたい気持ちはもちろんありますが、人材を増やしすぎてサービスの質が下がってしまうことは避けたいという思いもあります。片付けは片付け業者、引っ越しは引っ越し業者、不動産は不動産会社と分けずとも、当社にご依頼いただければワンストップで完結できる、そんな利便性の高いサービスを今後さらに提案していきたいと考えています。