01 一度の訪問で、安心まで届ける─地域密着の鍵職人
この仕事を始めたきっかけを教えてください。
この仕事を始めたきっかけは、以前勤めていた住宅会社での経験にあります。当時は寝る間もないほど忙しく、毎朝満員電車に揺られる生活が続く中で、「この働き方を一生続けていくのだろうか」と疑問を抱くようになりました。そんな折、雑誌で「鍵屋は稼げる」という広告を目にし、興味本位で講習に参加しました。そこで講師がわずか十数秒で鍵を開ける技術を目の当たりにし、「こんな技術があるのか」と強い衝撃を受けたことを、今でも鮮明に覚えています。その後すぐに独立したわけではなく、会社員として働きながら土日を使って少しずつ技術を磨き、準備期間を経て独立しました。独立当時は、ピッキングによる空き巣被害が社会問題となり、メディアでも盛んに鍵交換の必要性が取り上げられていた時期でした。いわば“鍵交換バブル”のような状況で、大手セキュリティ会社や不動産会社からも仕事の依頼が順調に入ってきました。当時はまだ鍵屋という職業自体の認知が高くなかったこともあり、追い風となっていたと思います。ただ、その状況がいつまでも続くとは思えなかったので、鍵交換だけに依存するのではなく、ドアクローザーや電気錠、マンションのエントランスにある大型扉の修理・メンテナンスなど、より幅広い対応ができる技術を身につけていこうと考えました。建物の一部分ではなく、建物全体の安全を支えられる存在を目指しながら、少しずつ対応領域を広げてきました。
どのようなご依頼を受けることが多いのでしょうか。
ご依頼の多くは、不動産管理会社様やオーナー様、内装業者様といった業者様からのもので、全体の大半を占めています。個人のお客様からのご依頼も一定数ありますが、割合としては少なめです。内容として最も多いのは、入居前後に行うシリンダー交換です。また近年では、浴室やトイレのレバーが破損し、室内に閉じ込められてしまうといった住宅設備のトラブルに関するご相談も増えています。住宅設備の経年劣化が進む中で、鍵に限らず、建物全体の安全や使い勝手に関わるご依頼が増えてきている印象です。
一般の方が業者選びで失敗しないためのポイントはありますか。
皆さんにぜひ知っておいてほしいのは、「事前に状況を丁寧に聞いたうえで、概算の見積もりを提示してくれるかどうか」という点です。これは、業者を見極めるうえで重要なポイントだと思います。状況を詳しく伝えているにもかかわらず、「現場を見ないと分からない」と一点張りの業者の場合、現地で高額な請求をされるリスクがあります。弊社では、必要な情報をできる限り詳しくお伺いし、その内容をもとにある程度の作業内容や費用感をあらかじめお伝えするよう心がけています。また、事前に状況を想定し、必要となる工具や部材を準備したうえで現場に向かうことも、プロとして当然の姿勢だと考えています。そうした対応ができるかどうかが、安心して任せられる業者かを見極めるひとつの基準になるのではないでしょうか。
これまでの現場で、特に印象に残っているエピソードはありますか。
現場でのエピソードは数え切れないほどありますが、特に印象に残っている出来事は、マレーシアに住む友人からの依頼です。「金庫が開かない」と連絡を受けた際、現地に行くことができなかったので、電話で状況を丁寧に聞き取りながらアドバイスを行い、結果的に開錠に成功しました。直接手を動かさなくても、これまで積み重ねてきた経験と判断力によって問題を解決できた出来事として、今でも強く印象に残っています。また、警察立ち会いのもとで行った緊急開錠では、室内で倒れていた方の発見につながり、救命に結びついたケースもありました。鍵の仕事は単なる作業ではなく、人の命や安全に直結する仕事なのだと改めて実感した瞬間でしたね。こういった緊急を要するご依頼は全体の中では1〜2%程ですが、真冬に子どもが誤って鍵を操作してしまい、閉じ込められて泣いているという現場に駆けつけたこともあります。無事に開錠し、ご家族がほっとした表情を浮かべる姿を見るとこの仕事のやりがいを強く感じます。地元での仕事では、現場に到着してみたら同級生の家だった、というような出来事もありました。こうした経験は、地域に根ざして仕事を続けてきたからこそ生まれるものだと感じています。
仕事へのこだわりや、他社にはない強みについて教えてください。
仕事へのこだわりは、「一度の訪問で、しっかりと満足していただくこと」です。ただ鍵を直す・交換するだけで終わらせるのではなく、その後も安心して使っていただける状態をつくることを常に意識しています。例えば、精度の高いディンプルキーは、定期的なメンテナンスを怠ると抜き差しが悪くなってしまいます。そのため、作業時には必ず、日常的なお手入れ方法や注意点まで丁寧にお伝えするようにしています。また、私が選定した部品については、メーカー保証の1年に加えて、独自に2年間の保証をお付けしています。長く安心して使っていただきたいという思いから生まれた取り組みです。
他社にはない強みとしては、地域密着ならではのスピード対応に加え、受付から現場作業までを私自身が一貫して行っている点が挙げられます。大手のように「現場に行かないと金額が分からない」ということはなく、お電話で状況を伺えば、これまでの経験をもとに概算をしっかりお伝えすることが可能です。そのため見積もりが分かりやすく、安心してご依頼いただけると思います。インターホンのリニューアル工事や、100kgを超える重量扉のフロアヒンジ交換といった作業についても、信頼できる仲間の職人と連携し、柔軟に対応できるネットワークを構築していますので、この体制も、長年地域で仕事を続けてきたからこそ築けた強みだと感じています。
他社にはない強みとしては、地域密着ならではのスピード対応に加え、受付から現場作業までを私自身が一貫して行っている点が挙げられます。大手のように「現場に行かないと金額が分からない」ということはなく、お電話で状況を伺えば、これまでの経験をもとに概算をしっかりお伝えすることが可能です。そのため見積もりが分かりやすく、安心してご依頼いただけると思います。インターホンのリニューアル工事や、100kgを超える重量扉のフロアヒンジ交換といった作業についても、信頼できる仲間の職人と連携し、柔軟に対応できるネットワークを構築していますので、この体制も、長年地域で仕事を続けてきたからこそ築けた強みだと感じています。
今後の展望についてお聞かせください。
今後については、むやみに規模を拡大するのではなく、これまで通り顔の見える範囲で一件一件に丁寧に向き合う仕事を続けていきたいと考えています。近年は、スマートフォンで操作できるスマートロックが普及していますが、これらは家電製品と同じく、電池切れや電子回路の不具合によって締め出されてしまうリスクも抱えています。便利さの裏側にあるリスクについて、きちんと伝えていくことも、現場を知る人間の役割だと思っています。鍵に限らず、防犯カメラなどセキュリティ全般についてご相談に乗れる体制は、今後も大切にしていきたいですし、「どこに頼めばいいのかわからない」と感じたときに、まず思い出してもらえる存在でありたいと考えています。鍵のトラブルを解決する仕事は、単に扉を開けることではありません。お客様の不安を安心へと変える、「心の鍵」を開ける仕事だと思っています。
最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
私は板橋の実家を拠点に、地域の皆さまと顔の見える関係を大切にしながら活動しています。地元で実家を拠点にしているからこそ、決して逃げも隠れもしない。それが私なりの誠実さの証だと思っています。鍵の不具合はもちろん、防犯カメラなど住まいのセキュリティ全般についてもご相談を承っていますので「こんな小さなことで呼んでもいいのだろうか」と遠慮される必要はありません。困ったときに思い出していただける、地元の頼れる鍵屋でありたいと考えています。鍵のトラブルへの対応は、単に扉の向こう側へ通すことではありません。お客様が抱える「閉ざされた不安」を取り除き、心から安心して過ごせる日常を取り戻すためのお手伝いだと、私は考えています。

取材風景:有限会社CUBロックサービス
