浴室シャワーヘッドからの水漏れを直す方法──ヘッド交換・パッキン調整

📅 公開日: 2025年6月11日 🔁 更新: 2025年6月17日
浴室シャワーヘッドからの水漏れを直す方法──ヘッド交換・パッキン調整

浴室シャワーヘッドから水が漏れる主な箇所と原因

シャワーを出していないときでもポタポタ漏れる・シャワーヘッドを手元から外すと水がシャワーチューブ内から噴き出す、といったトラブルは非常に多く見られます。以下の3つの原因を押さえておきましょう。

1. シャワーヘッド内部のシールパッキン劣化

  • シャワーヘッドとパイプをつなぐネジ部にある「ゴムパッキン(Oリング)」が硬化・破損し、シール性能を失う。
  • 頻繁な着脱・温度変化で、Oリング内のシリコーン系パッキンが形状変化して水漏れを起こす。

2. シャワーヘッド本体のひび割れ・経年劣化

  • プラスチック製やメッキ加工の古いヘッドは、経年でクラック(ひび割れ)が生じ、
    ノズル周囲や接合部から漏水が発生。
  • 内部にカビやミネラル汚れが堆積し、
    パッキンとの密着不良を引き起こす場合もある。

3. シャワーホース(塩ビ・金属)の緩みや破損

  • シャワーヘッドとシャワーホースをつなぐナット部が緩むと、そこから水が噴き出す。
  • シャワーホース自体に亀裂・穴が開いている場合は、
    ホースを交換しないと根本改善にならない。

必要な工具・部品と事前準備

シャワーヘッド水漏れの修理には、以下の道具と部品を事前に準備してください。

用意する工具

  • ウォーターポンププライヤー/モンキーレンチ:シャワーヘッド固定ナットを緩めるため。
  • ペンチ(ラジオペンチ):古いOリングをつまんで取り出すときに便利。
  • ドライバー(マイナス・プラス):分解が必要なシャワーヘッドの場合に使用。

用意する部品・消耗品

  • Oリング(シリコーン製):シャワーヘッド内部用(一般家庭では径15~20mm程度が多い)。
  • 平パッキン(EPDMゴムタイプ):シャワーヘッド根本のネジ部用。
    径が合うものを一式購入するのがベター。
  • テフロンテープ:ネジ山部のシール補強用。
  • 交換用シャワーヘッドユニット(節水タイプ・エコシャワーなど)
  • 交換用シャワーホース(メッキ加工・ステンレスメッシュホースなど)

事前にメモしておくポイント

  • 既存のシャワーヘッドの「メーカー名」「型番」「ノズル口径」「長さ」などを正確に把握。
  • ホースとシャワー本体をつなぐ配管径(主にG1/2規格が多い)を確認。
  • 止水栓が洗い場すぐ手元にあるか、
    浴室全体の給湯配管の構造を把握しておく。

シャワーヘッドのOリング・パッキン交換手順

最も簡単にできる修理方法が「Oリング(パッキン)の交換」です。数百円~千円程度の部品代で修理できるため、まずはトライしてみましょう。

Step1:浴室内の止水栓を締めて残水を抜く

  • 浴室内に止水栓(浴室シャワー専用のもの)がある場合、しっかり締める。
    止水栓がない場合は、給湯元栓を閉める。
  • シャワーヘッドを手で下向きに向け、残っているお湯をすべて出し切る。

Step2:古いシャワーヘッドを取り外す

  1. ウォーターポンププライヤーでシャワーヘッド直下のナットを反時計回りにゆっくり緩める。
    その際、プライヤーの当て布を使ってメッキが剥がれないよう保護する。
  2. ナットを完全に外したら、古いシャワーヘッドを引き抜く。
    古いパッキンが見えるはずなので、傷つけないように取り出す。

Step3:Oリング・平パッキンの取り外しとサイズ確認

  1. 古いOリング・パッキンをペンチで掴んで引き抜く。
    Oリングが硬化している場合は、破片が残らないよう丁寧に取り除く。
  2. 取り外したOリングの内径・外径・太さをノギスで計測し、同じサイズの新品を用意。
  3. 平パッキン(皿パッキン)の外径・内径・厚みを確認し、ホームセンターで近いサイズを揃える。

Step4:新しいパッキンをセット・シールテープを巻く

  1. Oリングの内側にシリコーングリースを薄く塗布し、シャワーヘッド側の溝にしっかりはめ込む。
  2. 平パッキンはナット側にセットし、ナットの内側にフィットさせる。
  3. シャワーホース側のネジ山にテフロンテープを2~3周巻き、シール性能を強化。

Step5:シャワーヘッドを取り付け・漏れチェック

  1. シールテープを巻いたネジ山をホース側にねじ込み、
    時計回りに手で締める。
  2. プライヤーを使い、ラストワン回しでしっかり固定。
    締めすぎるとナットが割れることがあるため、ほどほどに。
  3. 止水栓をゆっくり開け、水を通して漏れがないか確認。
    ハンドシャワーの切り替えバルブがある場合は、
    切り替え時にも漏れがないかチェック。

これで、多くの「シャワーヘッドのポタポタ水漏れ」は解消できます。

シャワーヘッド本体のひび割れ・交換方法と費用相場

パッキン交換でも直らず、またはシャワーヘッド本体にクラックが入っている場合は、本体ごと交換しましょう。

Step1:新しいシャワーヘッドを選ぶポイント

  • 節水機能の有無:穴の数や吐水パターンを工夫する「エコシャワー」タイプ。
  • ホースとの互換性:G1/2規格かG3/8規格か要確認。
    国内メーカー(KVK/TOTO/LIXILなど)なら統一規格が多い。
  • メッキ加工・ステンレス仕様:長期使用を考えるとステンレスメッシュホース+
    鏡面メッキシャワーヘッドなど、錆びにくい素材を選ぶ。

Step2:古いシャワーヘッドの取り外し

  1. 先述のパッキン交換と同様に、止水栓を閉めて残水を抜く。
  2. プライヤーでナットを緩め、古いシャワーヘッドを回して外す。
    ナットまわりに固着汚れがある場合は、
    シンク下に温かいお湯をかけて柔らかくすると外しやすい。
  3. 古いシャワーヘッドは、ホームセンターの回収箱や自治体のプラスチックゴミとして処分。

Step3:新しいシャワーヘッドの取り付け

  1. ホース先端にテフロンテープを2~3周巻き、
    水滴を防ぐ。
  2. シャワーヘッドを手でねじ込み、
    プライヤーでラストワン回ししっかり固定。
  3. 止水栓を開き、ハンドシャワーやシャワー切替バルブも操作して漏れがないか最終チェック。

費用相場

  • シンプルなプラスチック製シャワーヘッド:2,000~5,000円程度。
  • ステンレスメッキ+抗菌加工の高機能シャワーヘッド:5,000~10,000円程度。
  • 節水&マイクロバブル搭載タイプ:10,000~20,000円程度。
  • 交換工賃(DIYなら無料/業者依頼:5,000~8,000円程度)。

シャワーホース交換と配管まわりのチェック

ホース自体にひび割れが起きている場合は、シャワーホースを丸ごと交換する必要があります。特に金属メッシュホースやポリエチレンホースは経年で劣化しやすいので定期的に点検しましょう。

Step1:古いシャワーホースの取り外し

  1. 先述のように止水栓を閉めて残水を抜き、シャワーヘッドを外す。
  2. ホースの反対側(混合栓本体側)のナットをプライヤーで緩め、ホースを外す。
  3. ホースを引き抜き、ナットに付着した古いシール材をスクレーパーで除去。

Step2:新しいホースの取り付けとテスト

  1. 新しいホースのねじ山にテフロンテープを2~3周巻き、
    混合栓本体側に差し込む。
  2. プライヤーで軽く締め付け、
    ホース-本体間のシール性を確保。
  3. ハンドシャワー側にシャワーヘッドを取り付け、止水栓を開いて漏れチェック。
    ハンドシャワーを上下左右に動かしながら水漏れがないかを確認。

ホース交換費用相場:

  • 金属メッシュホース:約1,500~3,000円/本。
  • ポリエチレン製ホース:約1,000~2,000円/本。
  • 交換工賃(DIYなら無料/業者依頼:5,000~8,000円程度)。

シャワー混合栓本体が古い場合の交換タイミング・費用目安

以下の状態が見られる場合は、シャワーヘッド・ホースの交換だけでは解決せず、混合栓本体まるごと交換を検討してください。

  • レバーが固着して回らない・外れない
    内部のバルブステムが腐食し、パーツ交換では対応できないケース。
  • 水の温度調整ができない・一定の温度を維持できない
    サーモスタットバルブ内のカートリッジが故障している。
  • 本体のクロムメッキが剥がれて錆びが発生している
    外観だけでなく内部腐食も進行していることが多い。

混合栓本体交換の費用目安:

  • シンプルなメッキ混合栓:10,000~20,000円(本体のみ)。
  • サーモスタット付き混合栓:25,000~40,000円(本体のみ)。
  • 交換工賃(水栓本体取り外し+取り付け+シーリング):15,000~25,000円程度。
  • 廃材処分費:2,000~3,000円程度。

まとめ:まずはパッキン交換から試し、難しければ本体交換を

浴室シャワーからの水漏れは、「Oリングや平パッキンの劣化」「シャワーヘッドのひび割れ」「ホースの損傷」で発生することがほとんどです。
まずは止水栓を閉め、パッキン交換(Oリング交換)を試してみましょう。
それでも直らない場合は、シャワーヘッド本体・ホースまるごと交換を検討するのが最適です。
シャワー混合栓本体が古く、調整機能が失われているときは、本体交換を視野に入れてください。
前述の方法を順に試しながら、快適なシャワーライフを取り戻しましょう

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