災害時に役立つ簡易トイレ・簡易シャワーの作り方と備蓄アイテム

災害時に役立つ簡易トイレ・簡易シャワーの作り方と備蓄アイテム

災害時こそトイレ・シャワーが重要な理由と想定すべきシナリオ

大規模地震や台風・洪水などの災害発生時、上下水道が止まる・断水するケースは少なくありません。数日〜数週間にわたって水が使えない状況では、トイレや衛生環境をいかに維持するかが被災生活の快適度や健康を保つうえで極めて重要になります。

1. トイレが使えないと起こる二次災害リスク

  • 便器が流せないことで糞尿が溜まり、
    悪臭やバクテリアが繁殖し、
    食中毒やノロウイルスなど感染症リスクが上昇。
  • 浄化槽や下水道への負担が増し、
    共用トイレや避難所トイレも使えなくなる二次被害。

2. シャワー・洗面ができないと起こる衛生リスク

  • 体を洗えないことで皮脂や汗が残り、
    皮膚炎やかぶれ、虫刺されのリスクが高まる。
  • 避難所での息苦しさやストレスが増し、
    心理的にも大きな負担。

3. 想定すべきシナリオ

  • 断水が半日〜数日続く場合:水の出るトイレが使えなくなるため、
    簡易トイレやバケツトイレを活用。
  • 下水道復旧までに1週間以上かかる場合
    浄化槽が満杯になり避難所や仮設トイレへの連絡が必要。
  • 近隣住民と共同浴場を使えない場合
    簡易シャワーや給水ウエットシートで体を拭うなどの対応が必要。

簡易トイレの作り方と備蓄アイテム一覧

日常的に備蓄しておけば、断水時でもすぐに使用できる「簡易トイレ」をご紹介します。ペットボトルやゴミ袋、新聞紙だけで作れるなど、災害発生後すぐに活用可能です。

1. 準備する備蓄アイテム

  • 大容量のポリ袋(10L~20L以上)×10枚程度
  • 猫砂・おが屑・段ボールチップなど吸水性の高い凝固剤(固まる砂)×3~5袋
  • トイレットペーパー×2~3ロール
  • トイレ用ファンシーペーパー(使い捨て便座シート)×10~20枚
  • ペットボトル(2L)数本+給水バケツ
  • 携帯用消毒液(アルコールスプレー) or 除菌シート
  • 新聞紙・古新聞×数十枚
  • ゴム手袋または使い捨て手袋
  • マスク(飛沫飛散防止・におい対策)

2. 自作簡易トイレの作り方(バケツ型/バッグ型)

  1. バケツ型:大きめのバケツ(20L程度)にポリ袋をかぶせ、
    底に固まる砂(猫砂等)を厚さ2~3cm程度敷き詰める。
    使用後は、凝固が確認できたら袋をしばり、ゴミ袋に入れて密封。
  2. バッグ型:大きめのポリ袋(10~15L)に凝固剤を直接入れ、
    中で小規模トイレを作る。バッグの口を折り返して安定させるため、
    新聞紙で中敷き台を作る方法も効果的。
  3. 段ボールチップ混合法:段ボールチップだけでも吸水性が高いため、
    バケツや袋に数cm敷き詰めたあとに使用。
    汚物をその上に乗せ、使い終わったら新聞紙を上からかぶせる。

3. 使用時の注意点と後処理方法

  • トイレットペーパーは耐水性のものより「水に溶ける」タイプを使用。
    凝固剤と一緒に固まると処理しやすい。
  • 使用中はゴム手袋・マスクを装着し、
    汚れを周囲に飛ばさないよう注意。使用後は手をしっかりアルコール消毒する。
  • トイレ処理後の袋は、臭い漏れを防ぐため二重に袋を重ね、
    小まめにゴミ捨て場に搬出するか、一時的に屋外で保管。
  • 仮設トイレなどが設置される避難所に移動できる場合は、
    そこへ持参して捨ててもらうか、下水が使える時期を待って処理。

簡易シャワー・体拭き補助のアイデアと備蓄品

人は断水が続くと数日で不快感が増し、衛生面だけでなく健康面にも影響が出ます。以下の方法で、簡易的に身体を清潔に保ちましょう。

1. ペットボトルシャワーの作り方

  1. 2Lのペットボトルにキャップに小さな穴を数か所開ける。
    穴の径は約1mm程度が目安。
  2. 水を入れ、口を軽く閉じて持ち上げると、
    下方向に水がジワジワ流れる簡易シャワーになる。
  3. 浴槽やバケツを体の下に置き、ペットボトルから流れる水で体をすすぐ。
    紙せっけんや固形石鹸を使って、部分洗いを行う。

2. 給水用ポリタンク+シャワーヘッド利用

  • 給水用ポリタンク(10L~20L)に水を溜め、
    携帯用シャワーヘッド(市販の簡易シャワー用アタッチメント)を接続。
    蛇口から出る水圧ほど強くはないが、体を流すには十分。
  • 使用後の水は、
    トイレのバケツトイレに再利用するなど“2次利用”を意識。

3. 使い捨てウェットシート・消毒用シートの活用

  • 除菌ウエットティッシュや身体洗浄シートを予備として備蓄する。
    顔、体の部分洗いに活用できる。
  • 汗や皮脂を拭き取りたい場合は、
    アルコール分が少なめの「からだ拭きシート」がおすすめ。

4. 簡易バケツ風呂のアイデア

  • 大きいバケツやタライにぬるま湯を張り、
    タオルで体をこすりながら浸かる“バケツ風呂”。
    特に冬場はお湯が冷めやすいので、
    湯たんぽや温めたペットボトルを入れて保温を図る。

備蓄リスト:災害時にあると安心な水まわりアイテム

非常持出袋や家庭の備蓄品として揃えておくと安心なアイテムをまとめました。

  • 【簡易トイレ用品】
    ・ポリ袋(10~20L)×10枚
    ・固まる砂(猫砂・おが屑)×3袋
    ・使い捨て便座カバー×20枚
  • 【給水・簡易シャワー用品】
    ・2Lペットボトル+穴開けキャップ(自作シャワー用)
    ・給水用ポリタンク(10L~20L)
    ・携帯用シャワーヘッドアタッチメント×1つ
  • 【衛生用品】
    ・除菌ウェットシート×20枚
    ・体拭きシート×20枚
    ・アルコール消毒スプレー×1本
    ・固形石鹸または紙せっけん×2~3個
  • 【排水口・トラップ管理】
    ・排水口カバー(バケツ型フタ)×1つ
    ・逆流防止キャップ(排水口用)×1個
    ・重曹+クエン酸(粉末)×各1袋
  • 【工具・メンテナンス】
    ・ラバーカップ(小型スッポン)×1つ
    ・排水管ワイヤー(ドレンクリーナー)×1本
    ・モンキーレンチ×1本
    ・パッキン・Oリング(蛇口/シャワー用)各種×1セット

まとめ:備えあれば憂いなし──急場をしのぐアイデアを準備しよう

災害時の断水・下水不通は、一度発生すると数日以上続くことがあります。
その間、「トイレ」「洗面」「シャワー」が使えないと生活の質が著しく低下し、
衛生面や健康面で大きなリスクを抱えることに。
日頃から「簡易トイレ」「簡易シャワー」「ウエットシート」「消臭アイテム」を備蓄し、
災害発生時には「トイレ→排水口の逆流防止→簡易シャワー→給水確保」の手順で対処できるよう、シュミレーションしておきましょう
万が一のときでも、備えておけば少しでも安心して乗り切ることができます。

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