自宅やオフィスの防犯性を高めるためには、鍵そのものの性能が重要です。本記事では、防犯性能の高い鍵の種類と、導入時に注意すべきポイントをまとめました。
1. ディンプルキー(ピッキング対策シリンダー)
ピンシリンダーの鍵穴表面に無数のくぼみ(ディンプル)があり、通常のピッキングではほとんど開かない構造です。以下が特徴です:
- 防犯性能:ピッキング耐性が高く、バイパス解錠が困難。
- 形状:四角形や複雑な形状の鍵先端。複製を依頼する際は専門業者が必要。
- 費用相場:シリンダー本体20,000~35,000円+交換工賃8,000~15,000円。
- 注意点:合鍵作成には専用機材が必要なため、納期が数日~1週間かかる場合あり。
2. 防犯サムターン(サムターン回し対策)
サムターン回しは、ドライバーや専用工具で室内側のツマミをこじ開け、外から解錠する手口です。防犯サムターンは以下のような構造で対策します:
- ハンドルカバータイプ:サムターン部分を金属カバーで覆い、工具の侵入を防止。
- 内側サムターンスイッチ:暗証番号を入力しないとサムターンが動かない電子式スイッチを追加。
- カギ一体型サムターン:外側から鍵を差し込まないと内側のツマミが回らない形状。
費用相場は10,000~20,000円程度ですが、サムターンのみの追加対策が可能な製品もあり、既存シリンダーを活かすこともできます。
3. 高額防犯シリンダー(CP認定・PR認定)
警察の防犯性能認定を受けたシリンダーは、ピッキング・破壊解錠に強く、以下のメリットがあります:
- CP認定:日本ロック工業会の品質保証を受けたシリンダー。ピッキング耐性が高い。
- PR認定:警察庁が推奨する性能をクリアし、「防犯性能優良住宅」に適した製品。
- 費用相場:シリンダー本体30,000~50,000円+交換工賃10,000~20,000円。
- 注意点:認定シリンダーの合鍵は専用業者でのみ作成可能。カギ番号の管理も厳格に。
4. 電子ロック・スマートロック(暗証番号・ICカード)
電子ロックは従来の物理鍵に代わり、暗証番号やICカード、スマホアプリで解錠できる最新技術です:
- 防犯性能:ピッキングの心配がなく、デジタルデータによる複製防止。
- 遠隔操作:Wi-FiやBluetooth経由で遠隔解錠や施錠が可能(機種による)。
- 入退室履歴:誰がいつ開閉したかログに残せる製品もあり、セキュリティ管理に便利。
- 費用相場:後付けDIY型15,000~30,000円、工事型30,000~50,000円+工事費。
- 注意点:電池切れや通信障害時に備え、必ず物理キーを用意。組み込み型は工事費が高額。
5. シリンダー交換時の注意事項
- 既存ドアの厚み・形状:新しいシリンダーが対応できるか事前確認が必須。
- 施工実績のある業者選び:防犯性能を十分に発揮できるよう、施工精度が高い業者に依頼。
- 保証期間:高級防犯シリンダーは部品保証や不具合時の交換サービスが付帯する場合がある。
- 合鍵管理:認定鍵の合鍵は専門業者以外で複製できない場合があるため、追加発注には数日かかる可能性あり。
防犯性能の高い鍵を導入することで、不正侵入リスクを大幅に低減できます。しかし、導入時のコストや運用時の管理ルールも考慮したうえで、最適な鍵を選びましょう。




