デジタル遺品とは、故人のスマホ・PC内のデータやオンラインアカウントのこと。 放置は個人情報漏洩・金銭トラブル・家族の負担に直結します。 何より大切なのは生前からの整理（デジタル終活）。 カギはアカウント洗い出し／バックアップ／パスワード管理です。
はじめに：デジタル遺品って、一体どんなもの？
スマホやクラウド、SNS、ネット銀行…。私たちの生活はデジタル資産で成り立っています。もしもの時、それらは見えない遺産＝デジタル遺品になります。放置せず、生前からの設計図づくりが安心への近道です。
デジタル遺品が引き起こすかもしれない「困った！」
- SNS乗っ取りやメール流出などの個人情報漏洩
- 自動課金の継続や資産の塩漬けなど金銭トラブル
- ログイン不可で思い出にアクセスできない精神的負担
放置するとどうなる？具体的なリスク
代表例
- SNSからの詐欺発信、メール転送による情報抜き取り
- EC・サブスクの自動課金が止まらない
- ネット証券・暗号資産の存在が不明で相続遅延
- ロック未設定デバイスの不正操作・業務情報流出
デジタル遺品が家族に与える心理的・金銭的負担
死亡直後の手続き期に、各社サポートとの連絡や証明書提出が集中します。手がかりが無い状態は、時間・費用・心理の三重負担に。
未来の自分と家族のために：デジタル終活の始め方
ステップ1：まずは「見える化」—資産の洗い出し
スマホ・PC内データ、クラウド、SNS、金融、サブスク、EC、ゲーム、端末類を一覧化。棚卸しリストを作るだけで半分完了です。
ステップ2：各資産の方針を決める
| カテゴリ | 方針例 | ポイント |
|---|---|---|
| SNS | 追悼化／削除 | 追悼機能の有無と手続き方法をメモ |
| 金融 | 相続前提で開示 | 金融機関・口座情報・連絡先を一覧化 |
| サブスク／EC | 解約方針 | 自動課金の停止手順を明記 |
| 写真・動画・メール | 選別・バックアップ | 保存先とアクセス方法を家族に共有 |
| デバイス | 初期化・処分 | 確実消去手順／業者依頼の基準 |
ステップ3：パスワードとアクセス情報の管理
- パスワードマネージャーを導入し、マスターパスワードだけ共有
- 2要素認証のバックアップコードを保管
- 紙保管なら金庫等で厳重管理
ステップ4：デジタルエンディングノートを作る
- 資産一覧／対応方針／ログイン情報（管理方法）
- 重要データの保存先とアクセス手順
- 各サービスの連絡先と手続き指示
今日のネクストアクション
- 利用中サブスクを1件リスト化し、解約手順をメモ
- 写真・動画をクラウドへバックアップ
- パスワード管理の一本化を始める
もしもの時、家族はどうすればいい？
アカウント停止・削除の依頼
死亡証明等を準備し、各サービス規定に沿って申請。追悼化オプションの有無も確認。
データ消去とデバイスの処分
- 専門業者でのデータ消去を検討
- 自己初期化時は復元対策まで実施
- 最終手段として媒体の物理破壊
専門家への相談
技術・法務に跨る案件はプロの領域。時間短縮と安全確保を優先しましょう。
FAQ：よくある質問
放置リスクは？
情報漏洩・不正課金・資産塩漬け・家族の負担増。特に自動課金の停止遅れが家計に直撃します。
家族にパスワードを渡すのが不安です
マネージャー導入でマスターのみ共有がおすすめ。紙の場合は金庫等で厳重保管を。
デジタルエンディングノートには何を書く？
資産一覧／対応方針／ログイン情報（管理方法）／バックアップ先／手続き先／家族へのメッセージ。
故人デバイスへのアクセスは違法？
遺品整理の目的で遺族が扱うこと自体は一般に違法ではありません。ただしプライバシー配慮と最小限の利用を徹底してください。
まとめ：安心の未来のために、今できること
- デジタル遺品は見えない遺産—放置は厳禁
- 洗い出し／方針決定／パスワード統合／エンディングノート
- 困ったら専門家に相談
