ディンプルキーとは?鍵交換にかかる費用や鍵の種類ごとの費用相場と合わせて解説

はじめに

住宅の防犯性能に興味があるなら、ディンプルキーの名前を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、ディンプルキーの鍵の種類や特徴まで詳しく理解している人は少ないのが現状です。

この記事では、ディンプルキーの基本概要や特徴を解説します。
異なるタイプの鍵の種類と比べた防犯性の高さや、鍵の交換方法、交換費用の情報も紹介します。
防犯性を高めるため鍵交換に興味があるなら、この記事の情報が役立つでしょう。

ディンプルキーとは

ディンプルキーとは、鍵の表面に複数の凹凸やくぼみがある鍵のことです。
鍵は「ディンプルキー」と言いますが、鍵とシリンダーをセットにして「ディンプルキーシリンダー」と呼ぶこともあります。

ディンプルキーは、複雑な構造が特徴です。
従来あるピンシリンダーを進化させたもので、より防犯性が高くなっています。

ピンシリンダーは鍵の側面に山が付いているタイプです。
しかし、内部の作りがシンプルなためピッキングに弱く防犯性が劣る特徴があります。
一方で、ディンプルキーは、鍵の側面に山がなくフラットな形で、鍵の表面に複数の凹みが不規則に付けられているタイプです。

鍵の表面に複数の凹みを付けることで、ディンプルキーはピッキングや壊される被害を防ぎやすくなります。
従来あるピンシリンダーでは数秒で開錠できるのに対し、ディンプルキーは数秒では開けられません。

ピッキングとは、特殊な工具を使った鍵を開ける犯罪行為のことです。
「ピンタンブラー」と呼ばれる部品が鍵に当たるようになっていますが、特別な工具を使いピンを動かすと、鍵を使わなくても開錠できてしまいます。

しかしディンプルキーなら、シリンダー内部が複雑な構造になっており、方向の違うピンが複数あるため、特殊な工具を使ったピッキングで開錠に時間がかかります。
「開錠に5分以上かかると空き巣は侵入を諦める」とも言われており、ディンプルキーのドアは、ピンシリンダーと比べて空き巣に狙われにくい点がメリットです。

ディンプルキーの種類

ディンプルキーは、複数のメーカーから販売されています。
種類を比較するため、メーカーの特徴を理解すると良いでしょう。
以下のメーカーは高い耐ピッキング性能でおすすめですが、鍵の破壊耐性は、製品により性能が異なるため、事前に確認してください。

美和ロック

美和ロックは日本の鍵メーカーです。
ディンプルキーは、PRシリンダーやJNシリンダーがあります。

どちらも複雑な構造を採用しており、特にJNシリーズは約172億通りの鍵違いを持ち、ピッキングで開錠を諦めさせる時間を稼ぎやすくなります。
また、リバーシブルなので、鍵を持ち替える必要がありません。

ドルマカバ

ドルマカバ社はスイスの会社で、日本法人があります。
世界130か国以上で使われる信頼性の高い鍵として人気があります。

ディンプルキーは、神奈川にある自社工場で製造されている点が特徴です。
官公庁や大使館での使用実績もあり、特に「kaba star neo」は耐ピッキングのディンプルキーとして知られています。

また、鍵を作成する際には、持ち主登録が必要です。
持ち主以外が勝手に鍵を複製することがしにくくなります。

GOAL

GOAL社は、国内初のピンシリンダーを製造したことで知られる日本の企業です。
大正3年創業で、鍵製造や防犯システムなどの実績があります。

耐ピッキング性能を持つディンプルキーは、V18シリンダーやGPシリンダーが有名です。
GPシリンダーは約120億通りもの鍵違いを持つため、高い防犯性が特徴です。

ディンプルキーの鍵に交換する方法

ディンプルキーに交換する方法は、DIYで行う方法と、業者に依頼するやり方があります。
交換に失敗すると防犯性が落ちたり、シリンダーが合わなかったりする可能性があるため、不安なときは業者への依頼がおすすめです。

DIYで交換する

ドアの側面にメーカー名と型番が書かれているので、確認しましょう。
型番に合うディンプルキーのシリンダーを事前に購入しておいてください。

続いて、ドア側面にある金属プレートを留めているネジを外します。
シリンダーを固定しているピンを外すと、シリンダーが外れます。
新しいシリンダーに交換したら、外したピン、金属プレート、ネジを留めて完了です。

ディンプルキーの交換は、ネジやピンなど細かい部品が多いため、紛失に注意してください。

業者に依頼する

鍵専門店に依頼する方法は、安心して任せることができます。
DIYに自信がある人は自分で交換することで鍵交換費用を抑えられますが、万が一鍵が合わなくなった場合には、業者に依頼すると良いでしょう。

鍵専門店の中には、24時間いつでも出張してくれるところがあります。
防犯の問題がある際には、深夜や早朝でも来てくれる業者の利用がおすすめです。

鍵交換にかかる費用の相場

ディンプルキーの交換費用は、部品代と工賃がかかります。
ピンシリンダーのようにシンプルな構造の鍵は部品代が約5,000円からですが、ディンプルキーは約15,000円からの部品代が必要です。
さらに作業費として1万円程度がかかると考えておきましょう。

鍵交換にかかる費用は、鍵の種類によって部品代が変わります。
以下のように鍵の種類によって部品代が変わるので、比較すると良いでしょう。

  • ピンシリンダー:約5,000円から
  • ディンプルキー:約15,000円から
  • ディスクシリンダー:約10,000円から
  • インテグラル錠:約5,000円から
  • 引き戸錠:約5,000円から
  • 暗証番号入力式やカードキー:約35,000円から

鍵の部品代は、高性能なほど値段が高くなることがわかります。
ピンシリンダー、インテグラル錠、引き戸錠ではピッキングに弱い構造の鍵を使用しているため、部品代は安く済みます。
しかし、防犯性能が落ちてしまうため、注意が必要です。

一方で、ディンプルキーのように防犯性が高くピンで包むようなタイプの鍵は、部品代が高くなります。
暗証番号を入力するタイプや、カードキーを使って開錠するタイプは、鍵穴がなくさらに防犯性能に優れており、部品代が高くなる点に注意してください。

鍵の種類を選ぶときは、防犯に対する性能と、価格のバランスを考慮しましょう。
ディンプルキーは防犯性が良く価格が手ごろなため、バランスの良さでおすすめです。

ディンプルキーの鍵交換の注意点

ディンプルキーに交換する際には、以下の点に注意が必要です。

賃貸住宅は事前に許可を取る

賃貸住宅の鍵は共有部分とみなされており、所有者は貸主です。
勝手に交換すると退去時に原状回復を求められ、費用がかかる可能性があるため、事前に許可を得るようにしてください。

鍵交換の許可は、管理会社や大家さんに連絡しましょう。
鍵の防犯性を高める目的でディンプルキーに交換したいときは、事前に相談するようにしてください。

型番を間違えない

ディンプルキーはどれも同じではありません。
型番を間違うと、サイズが変わってしまい取り付けられない可能性があります。
取り付けできたとしても、穴を開けるなど工程が増えてしまうため注意が必要です。

自分でディンプルキーに交換するときは、現在取り付けられている鍵の型番を確認してください。
シリンダーには複数の型があり、サイズや形が異なるため、見極めが必要です。

歪みがないよう取り付ける

型番が合う鍵を購入したとしても、歪みがある状態のまま取り付けると防犯性が落ちます。
歪みが生じると隙間ができてしまい、その穴から不正開錠されるリスクがあるからです。

また、歪みがある状態で鍵を取り付けると、最悪の場合鍵が開かなくなります。
自分でディンプルキーに交換するときは、歪みがないか確認し、正常に開錠できるか動作確認を行ってください。

ディンプルキーの鍵へ交換して防犯性を高めよう

ディンプルキーは、防犯性能を高めたいときにおすすめの鍵の種類です。
現在取り付けられている鍵が古いタイプである場合、防犯性の高いディンプルキーに交換すると良いでしょう。

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